エンゲージメントの未来は、自然なフィードバックから

2025年11月1日
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今のエンゲージメントの測り方って、だいたいフォームやダッシュボード、アンケートだよね。
どの会社にもある。どの人事チームもそれを待ってる。
年に一度、いつもの件名が受信箱に落ちてくる:

「あなたの声が大事です — 年次エンゲージメント調査にご協力ください」

20問、いや30問くらいをクリックして答える。マネージャーの評価、居場所感、元気さを点数にする。
正直に答える。ちょっと期待するかも。
そのあと、いつもの一日に戻る。

で、その後はどうなる?

数ヶ月後、結果をまとめたメールが届く:
「従業員満足度 +4%。帰属感 -2%。」
きれいにまとまってる。数値で見える。だけど、職場でのごちゃごちゃした感情的な体験からは完全に切り離されてる。

だって、データが処理される頃には、その瞬間はもう過ぎてる。
その感情の理由――優しい一言、きつい一週間、解決してないモヤモヤ――はとっくに消えてる。

僕らは測ること聞くことと取り違えてる。


文化はデータじゃない — 日々の暮らしだ

文化は調査リンクが公開されたときに始まるわけじゃない。
毎朝始まるんだ — 誰かが同僚のためにコーヒーを多めに買ってきたり、グループチャットが週末写真で盛り上がったり、つらい日のあとにそっと様子を聞いてくれる人がいたりするときに。

そういう瞬間は小さくて、ほとんど見えない。
でも、それがエンゲージメントの本当の鼓動だよ。

職場で人が「実際に」どう感じているかをたくさん聞くほど、はっきりしてきた。
ほとんどのシステムは人に気づくためじゃなく、データを集めるために作られてる。

その気づきは、ずっと僕の中に残った。


エンジニアリングから共感へ

Quiet Circlesを作る前は、ずっとソフトウェアエンジニアをやってた。
仕事は問題を解くこと。システムを予測可能にして、スケールさせて、効率的にすることだった。
でも人はシステムじゃない。予測不能で、感情的で、矛盾だらけ。しかも、それがいい。

どの職場でも、ちょっとしたつながりの瞬間が大きな違いを生むのを見てきた。
スタンドアップの前の一発ギャグ。会議の合間のちょっとしたパズル。ラフに聞く「本当に元気?」って一言が深い話につながることも。

そういうのはエンゲージメント指標には現れない。
でも、毎日の振る舞いを形作るんだよ。

エンゲージメントをプロセスじゃなくて感覚として考え始めたとき、根本的なことに気づいた。
帰属意識は無理やりエンジニアリングできない。
育つための土壌を整えるしかない。


ふとした気づき

Quiet Circlesの初期、スタートアップやエージェンシー、大学のチームを回って話を聞いた。
『チームのつながり(team bonding)って何?』ってみんなに聞いたんだ。

答えに驚いたよ。
大掛かりなオフサイトや派手なイベントの話はあまり出なかった。
出てきたのは、小さくて繰り返される習慣の話だった:

「うちのチームは毎朝Wordl6をやるんだ。馬鹿げてるけど、会話が生まれる。」
「毎週金曜にDaily Triviaのクイズを共有する。そこで息抜きしてるんだ。」
Quiet Circles libraryのパズルを交換してる。入ったばかりの頃に友達ができたきっかけだった。」

シンプルで人らしい、自然発生的なルーティン。
つながりが強制されず、自然に起きる瞬間だ。

そこで『オーガニックなフィードバック』ってアイデアが形を取り始めた。


オーガニックなフィードバックって本当は何?

オーガニックなフィードバック」って言うとき、機能や指標の話じゃないよ。気づくって新しい哲学のこと。

それは、尋ねることから観察することへのシフト。答えを無理に引き出すんじゃなくて、日常の流れの中で人がどう関わっているかに目を向けるってこと。

だって、笑顔ひとつ、ちょっとした間、参加の瞬間――どれも物語を持ってる。見ようとすればね。

いつも感情を言葉にしてもらわなくていい。遊び方や共有の仕方、反応の仕方が、もう全部を語ってくれることもある。

オーガニックなフィードバックってのは、そういう感情が目に見える場を作ったときに起きるもの。フォームじゃなくて、つながりの中でね。


つながりは続ける練習

所属感は年に一度のオフサイトで作られるものじゃない。日々の小さなルーティンの積み重ねでできる。

たとえばこんな感じ:

  • チームで毎日解くパズル。Wordl6 やみんなでやる 数独 のようなもの。
  • グループチャットでふと始まる トリビア ラウンド。
  • あるいは画面を離れて手を使う時間。オフィスにQuiet Circlesの体験を持ち込んで会話のきっかけにする、みたいな。

大事なのは活動そのものじゃなくて、それが作るリズム。存在のリズム。いちいち許可を取らなくても互いに気づき合うリズムだ。

そのリズムが文化。

チームがどれくらい遊んでいるか、笑っているか、手を差し伸べているか――そういうパターンに目を向け始めると、どんなアンケートよりも彼らの感情の鼓動が深くわかるようになるよ。


指標の“人間らしさ”

創業者として、僕らは数字が好きだ。 安心感や正当性、進んでるって実感をくれるからね。

でも文化の話になると、数字だけだと見誤ることがあるよ。 エンゲージメント90%って出ていても、裏では寂しかったり見えないと感じている人がいるかもしれない。 逆に、紙面上は“静か”に見えるチームが、大声で示す必要のない深い信頼を築いていることもある。

違いは、何を測るかにあるんだ。

数字は大事。でも物語の方がもっと大事。 そして、エンゲージメントの未来は、両方にちゃんと耳を傾ける勇気ある組織のものだよ。


ちょっと違うフィードバックループ

考えれば考えるほど、フィードバックって両面鏡みたいだなって思う。 従業員がマネージャーに不満を伝えるだけの一方通行じゃない。 チームが一緒に理解を作っていくことなんだ。共通の体験や、ただそこに居るっていう小さな行為を通してね。

まず“つながり”をデザインすると、フィードバックは自然になる。 取引っぽさが消えて、会話になるんだ。

それが僕たちの言う“オーガニックなフィードバック”。 道具じゃなくて、在り方なんだよ。


これから向かうところ

Quiet Circlesは、ただのHRプラットフォームになるつもりはなかった。 人が一緒に“人間らしく”いられる余地を作ると何が起きるかを試す、生きた実験なんだ。

僕らのミッションはデータをたくさん集めることじゃない。職場をもっと生き生きさせることだよ。 文化がゆったり息をして育ち、わざわざ訳さなくても伝わるような、優しい仕組みを作りたい。

本当のところ、エンゲージメントは年に一回測るものじゃない。 毎日の実践なんだ。挨拶の仕方、小さな勝ちを祝うこと、ちょっと立ち止まって笑い合うことの中にある。

僕は、働き方の未来はこんな方向に向かうと信じてる。 もっと静かで、人間らしい知性へ。 アンケートじゃなく物語で聴く。 フォームじゃなくて、感覚で聴く。


🌸 最後のひとこと

エンゲージメントの未来は、大きな声のダッシュボードや派手な指標からは生まれない。
必要なのは、立ち止まる勇気だ。気づくこと。つながること。思いやること。

結局、文化は戦略資料で作られるものじゃない。
サークルの中で作られていくんだ — ひとつの瞬間、ひとつの会話、ひとつの優しさの積み重ねで。


書いたのはミン・クン — Quiet Circlesの創業者。現代の働き方向けに“感情のインフラ”を作っています。 LinkedInでミンとつながろう.

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